愛執のレッスン オペラ座の闇に抱かれて
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愛執のレッスン オペラ座の闇に抱かれて

みかづき紅月/旭炬

仮面の紳士の妖しい誘いに囚われたい方へ

ネタバレ
2022年8月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全8章+プロローグ。
オペラ座の怪人のオマージュ作品。
なので、全体的に漂う雰囲気が妖しく謎めいていてその世界観に浸れます。山あり谷ありと言うよりはしっとりと物語が進行していく感じ。
その中で仮面の紳士の圧倒的存在感。しなやかで気品溢れる優雅な所作に反して、手負いの獣の様な危うさとその瞳の奥には獰猛な光が……うぅーーん、堪りません笑。極上のイケナイ男の象徴。
近づいてはいけないのに気が付けばそばに吸い寄せられ溺れてしまっているパターン…いいよね、すこ笑。
そんな仮面の紳士の復讐劇に招き入れられたヒロイン・アンジュ。素直で愛らしく好印象です。
作中では『オペラ座の亡霊』というオペラを軸になぜ呪われた演目なのか、復讐とは一体なんなのかが書かれています。途中途中にあるレッスンと称したいやらしい悪戯はSみあって良かった。それを許せてしまう…否、寧ろ当たり前だが文句あるか感の仮面の紳士の支配者的オーラ…くっずるいっ!ありがとうございます!ついて行きます!笑。
彼の心の傷の真相を知った夜、2人は初めて心を通わせ一夜を共にします。紳士がグイグイ来て最高でした。一度ならず何度も…最高か。ありがとう。余裕ある言葉とは裏腹にがっつくのすこ。
物語は一応綺麗な形で終わり、罪を背負った者も協力者達も落ち着く所に落ち着きました。『オペラ座の亡霊』の題名にかけての“亡霊”は切なかったですがそれも良いスパイス。
気になったのはヒロインの母。結局会えたのかどうなったのか謎のまま…私が読み飛ばしちゃっただけかな?
オペラ座の怪人の雰囲気が好きな方でそこにエロティックを加えたお話が読みたい方は是非。
(ヒーロー視点はありませんでした。それが返って仮面の紳士の本当の気持ちが分からずに翻弄され、妖しさを増した気がします。)
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