ちはやふる
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ちはやふる

末次由紀

最終話(50巻目に相当)を本誌で読んで

ネタバレ
2022年8月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 50巻が出るの待てなかったので、最終話をいち早く本誌で読みました。
千早がクイーンに、新が名人に、そして千早と結ばれたのは…太一でした。
私はこの結末に満足だったのですが、ネットでは一部の人達が『作者は初志貫徹しろ』とかひどい言葉を書く人もいて、残念でした。
作者が、当初『千早と新の物語』というように言っていたことをとりあげての発言のようです。『恋の物語』とは言っていないですし、成長物語やかるた物語とも言えるわけです。ましてや、50巻ともなる超長期連載においては、当初の構想から変わることも多々あるでしょう。この読者の言いがかりは聞くに耐えないですね。読者がひどいと思います。
恋愛においては千早の気持ちの変化が分かりにくいというところが読者をそれぞれの固定観念に縛りつけてしまって、最終話で太一が選ばれるというところがいきなりだと感じてしまったのかもしれません。
太一自身も、まさか自分のことを好きにならないと思っているようで、そういう描写が読者をまたその千早&新がお似合いの概念に縛り付けてしまったのかと。
千早自身も新への想いが憧れの好きか恋愛の好きかも、読者それぞれの受け取り方でどっちにも捉えられるような曖昧な表現です。
太一の告白を断った後からは、太一への想いも、断ったけど結局ラブの方の好きの感情もあるのではというくらい大事な場面で太一太一言ってたので、勿論最後に太一を選ぶのもおかしくはありません。
また、新への告白の返事が、最終話で付き合ったことのさらっとした事後報告だったことも、受け入れ難い読者さんがいるようで、私もここはもっと丁寧に描いてほしかったと思います。ページ数の都合もあるのでしょうか…。

本作は、仲間、青春、家族愛、自己成長、趣など恋愛以外にも大事な要素が多いマンガですから、一般的な恋愛マンガと違って、恋愛要素を重要視する作りにはなってないです。(ヒロインの千早も小学生男子レベルの恋愛脳っぽいですし)
それらを総合的にみたところ、やはり本作はとてもよく出来た作品だと思います。
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