これはあくまで夢なので【単行本版】
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これはあくまで夢なので【単行本版】

由元千子

健気な夢魔が可愛いすぎる♥️

ネタバレ
2022年8月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな由元先生の新刊です。これは既刊作品の中で一番好きかもしれない!めっちゃ良かったぁぁぁ。
以下、ネタバレです。


夢魔でありながら、性的な事が苦手で精気にありつけないフォニ。倒れているところをホスト晴心に拾われることでスタートします。
もう、このフォニが堪らなく可愛いのです。サキュバスなのに強引にもなれず、腰が低くてとても奥ゆかしいのがツボでした。イン魔らしくないイン魔とでもいいますか、初めてのサキュバス像がとても新鮮で、可愛いかったです。
とにもかくにもフォニの健気さに胸を打たれます。晴心から精気を供給してもらう為のセッ☆スを重ねて行くたびに、フォニがどんどんエロく可愛いくなっていくのがいいですねぇ。そんな中で、晴心の優しさに惹かれていくのも無理はないなぁと思います。
一方の晴心は過去の恋愛経験がトラウマとなり、誰も特別にはしたくないと思っていたはずが……
フォニと暮らすうちに、晴心の中で生まれた特別な感情や嫉妬や独占欲にドキドキです。
もうそれは特別ってことなんだよね。

フォニにとって晴心は特別な存在で、晴心の特別になりたかったけれど、彼の優しさは自分だけに向けられたものではないと身を引くフォニが堪らなく切なかった。晴心の幸せを願うフォニ。最後の抱擁に涙し、想いを告げる哀しい笑顔に涙が溢れて止まりませんでした。あの笑顔はとても印象的でした。
ここは何回読んでも泣けてしまいます。
そして、フォニを失いたくない想いに気づいた晴心の本気も素敵でした。
二人の幸せエチもまたエロかったぁ。
由元先生のエチシーンが綺麗な絵柄でとても好き。
修正は白抜きで残念ですが、絡み合う二人がとても官能的に描かれています。繋がる部分やアングルがエロくて思わずいつも合掌です。

後書きにキャラ設定の事に触れているのですが、
夢魔は精気が足りないと老いていくという設定が素敵で、最終的に晴心が人生を終える時、フォニも老いて共に逝ける。これって最高じゃないですか?
寿命の違う人間と人外では哀しい別れと、残された者の辛さがあります。由元先生の設定では、共に生きて共に老いて、やがてはどちらからともなく逝ける。フォニが一生孤独を背負わなくてもいいのです。素晴らしいですよね。由元先生、最高です。
素敵なラブストーリーをありがとうございました。
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