このレビューはネタバレを含みます▼
愛していても愛されている実感がなく安全パイをも求めてしまった北斗と、北斗が自分のすべてを受け入れてないのを感じ取り荒れるプライドの高い煌。自分が安全パイにされているのに耐えられず、颯馬の純真さに惹かれて行く中嶋と、傷つくと思っていても中嶋を想い続ける颯馬。四者四様の心模様が丁寧に描かれています。中嶋は「恋」より「愛しさ」を取ったんだな、ぐずぐずしているようで最後には潔いな、と感じました。兄と違い、中島の心を気遣いながら少しずつ彼に近づいていく颯馬も可愛くてかつ男らしい。絵は、決して描き分ける画力があるとは言えないものの、性格や表情の違いで見分けがつき、背景がしっかり描かれているので場面が変わってもすんなり読み続けることができます。アップと全身像両方をバランス良く配置していて、絵の実力もかなりの作家さんですね。