月はみちかけケモノの恋【コミックス版】
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月はみちかけケモノの恋【コミックス版】

野白ぐり

暖かい切なさに涙…

ネタバレ
2022年8月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 妖しになりかけた狛犬の狛と人、伊月の物語。作家さん買いでしたが、爽やかな切なさで満足の読後感です。はじめは伊月の物語かと思ったけれど、本当は狛の物語だった。そして読み始めて早々に伊月と狛の交りも展開が唐突気味かなと思ったけど、物語をぐいぐい引っ張るには必要かと、読みながら納得。狛の葛藤が伊月を愛することが元になっているのも優しい気持ちになる。伊月が田舎でレストラン経営する展開も想定内だけど、もう少し狛と苦しんで欲しかったかな。人生を完了した伊月から貰った愛おしさと悲しみ、寂寥感、だけど狛は満足して狛の命も完了した。すごく切なかったけれど、暖かい気持ちになりました。作家さんの人柄かな。人外ものはちょっと苦手ですが、この作品は大丈夫。読後に、なんと背表紙の絵風景(狛のしっぽの絵)をみて、狛の気持ちに感情移入して自然に涙が溢れました。狛、幸せだったね。良い作品をありがとうございました。
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