踊る阿呆と腐れ外道 【電子限定特典付き】
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踊る阿呆と腐れ外道 【電子限定特典付き】

あかねソラ

時代に翻弄される想い

2022年8月14日
以前から気になりつつも、重たそうな雰囲気でずっと敬遠していた作品。
saleでとりあえず購入してみたものの、なかなか手を出せずにいたのですが、ようやく読み終えました。

千代森家の養子と養父各々が主人公で、上下巻合わせて10話のうち6話までが養子である伊月と芳野、7話からが養父である環と結城のお話です。
まだ封建の余韻が残る大正時代、家と身分制度に縛られている頃。
どちらも時代に翻弄されてしまうのですが、伊月の強かさと環の寂しさが、印象的でした。
個人的には環のお話の方がインパクトが強くて、後半、ずっと涙が止まらなかったですね。
環も結城も、この時代でなければ…と思わずにはいられません。それでも穏やかな時間が訪れたことが、何よりの救いです。
結果は人によって感じ方が違うかも知れませんが、私はハピエンだと思います。

それにしてもこういう作品を読むと、つくづく良い時代になったと思いますね。
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