このレビューはネタバレを含みます▼
付き合い始めて日も浅い、美月と篠宮。
初めての夜を迎えた2人は、自らの性癖を自覚させられます。
お互いの需要と供給は合っているから、スムーズに事が運ぶかと思いきや簡単にはいかず、お互いが気持ちよく楽しめるHを探求する旅が始まります。
ストーリーが性癖にフォーカスしたものだから、どんなHなシーンが拝めるのかと期待しながら読んでいましたが、そういう話ではないことに途中で気付きました。
自分を知り、相手を知って、かけがえのない関係を構築していく過程がメインなので、エロ描写はあっさりで色気もないです。でも、攻められて感じているのを恥じらって、潤んだ瞳で我慢している篠宮の姿にはグッときました。
進展がスローペース過ぎるため、じれったくてイライラするかと思いましたが、手間暇かかっても改善して前へ進もうとするところに、お互いへの執着が感じられて、逆に良かったです。
直面する問題に対して、一つ一つ2人で答えを出していきながら、「どうしても、この人が良い!」という一番大事な部分への確信が強くなっていく。その過程が、ちょっぴりシュールな笑いと共に、丁寧に描写されていて読みやすかったです。
ラストのプロポーズは美しく、この2人らしくて感動しました。紆余曲折ありまくりだったけれど、よくここまで辿り着いたなと感慨深かったです。
普通か変かという曖昧で雑な括りで判断して生きていると、なんでも早く進められそうですが、ありのままの自分自身は置いてけぼりになる気がします。美月と篠宮を見ていたら、普通の枠に隠れて見えなかった大事なことに気付かされました。