このレビューはネタバレを含みます▼
性癖の部分は脇に置いておいても、このお話は自分を振り返るきっかけになるのではと思いました。どうしてもその人でなければいけない特別な相手と問題が生じた場合、簡単には諦められないので、2人で話し合い、2人だけの最善を模索していく。こういうことはよくあります。そういう時、一般的にはどうなんだろうとか、人から見たらどう思われるだろうとか考えてしまい、ネットに答えを求めたりしがちです。別にそれも間違ってはいないけれど、2人で答えを導き出す過程が重要なんだなと、この作品を読んで改めて感じました。
特に印象に残ったのは結婚を意識した後の2人のすれ違いです。篠宮君の長所として見えていた部分が、短所として現れるケースに、私自身ハッとさせられました。「長所は短所」と頭では理解していても、実際はそういう風に人を見れていない自分に気付かされました。この時の美月の対応から、彼女にとって篠宮君は性癖が合うから好きなのではなく、篠宮君だから好きなんだなとようやく伝わってきました。これがあるのとないのとでは、全然物語の印象が変わってきてしまうので、すごく大事なところだと思いました。
最後までマイペースな2人の物語、とっても面白かったです。ありきたりな少女漫画に飽きてきた方にお勧めです。