シンデレラリバティ
」のレビュー

シンデレラリバティ

本郷地下

とにかく震えることは間違いない!

ネタバレ
2022年8月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作家さん買い!
人間の心の深淵を切り取ることに長けた作家さんで大ファン♡
ただ今、8/26まで割引中のシティライツバースデイ/世田谷シンクロニシティ/メトロはどれも大好きで、超お勧め致します♡
仄暗さと希望の両方がしっかりあり、細かな心の機微が見られる傑作だと思います。

さて!本作は、だいぶ重めなテーマ。
身近な人間がサイコパスであればこういう展開があり得るかもしれないという若干のリアリティが含まれている為、読み手は少し震えちゃう内容です。
こういう性格の人なんだぁ…と日常的に接している人からすれば、その人のその性質がサイコパスだと気付くことは相当に難しいことかもしれない。違和感として距離を取れる関係ならばいいけど、無理な場合はどうすれば……?
社長になったり利他へ還元する良いサイコパスの方も世の中には沢山おられるから、サイコパスの性質を悪用するか否かに尽きるとは思う。
客観的に指摘してくれる第三者がいなければ、悪用されているなかでは操られ続けることになるのだろうなぁ…。
という恐怖を存分に味わえるストーリー展開です。

勿論、光もエチもあるわけですが……
だいぶ内容の重さに引っ張られちゃうし、
サイコパス話的にもストーリー展開的にも、他作家さんの類似作品のように思えて、モロに頭の中でイメージできてしまって余り楽しめなかったのが正直なところでした。
重めサイコパス作品で本作が初の方なら、また感じ方が全然違うのだと思います。
本作を読むにあたり、色々な角度から感じられるものがきっとあると思うのですが…私の中で、兄弟間のサイコパス話はこの作品!と決まってしまっていた感が強くて…純粋に作品自体を楽しむことが自分には出来ず、残念でした。
他レビューを拝読しては、自分の感覚が残念無念だなぁ…とww

ただ、ラストに向けて2人の立ち位置が徐々に明らかになっていく中での演出は、おおぉぉ…成程ね!と思わされました。
表紙にも描かれている作品のモチーフである靴が、人物の心象と影響し合って作中とても印象的に描かれてあるところなど、流石だなぁ…と感じました。

また何度も読むことで印象が変わるかもしれませんが、現段階では上記のレビューに留まります。
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