身代わりの花嫁は、不器用な辺境伯に溺愛される
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身代わりの花嫁は、不器用な辺境伯に溺愛される

椎名さえら/一花夜

スカッとではなくモヤっと。

ネタバレ
2022年8月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 途中までは普通に読めてました。反撃1つもせず周りに慰められて耐えるだけの気弱すぎるヒロインにたまにイラっとしながらも、『家族に虐げられ続けた不遇のヒロインがヒーローに助けられてハッピーエンド』を地で行く王道ストーリーだなと。だけど母親と姉の事情を知ると彼女たちへのざまぁが強すぎて割に合わない。父親へのざまぁをもっと酷くするか、母親と姉を同情出来ない程悪役にするか……それならスカッとしたんですけどね。そして守られるだけのお姫様ヒロインや良い子ちゃんヒロインが苦手な私はこのヒロインに共感できず。なんなら恋人と引き離されて好きでもない男と婚約させられても駆け落ちしてまで反発、駆け落ち失敗した結果モラハラ&DV被害の結婚生活を強いられた母親に一番感情移入しました。実家にいた頃も使用人たちが味方でいてくれて嫁いでからも初日から旦那様と使用人に愛され続けるヒロインよりも、母親の方が不遇なのでは?と。なので全ての事情を知っても尚『お母様は1人で闘うみたいだから私たちは何もしないわ。ヒーローくんもお母様を助けないでね?』という姿勢でいるヒロインに少し嫌悪しました。ヒーローも『ヒロインちゃんが実家でひねくれなかったのは母親が陰で守っていたんだろう』と思ったなら少しは情けをかけてやりなよ、と。どんな事情があろうとヒロインちゃんに辛い思いをさせた奴は情け容赦なくざまぁされるべし!と割り切れる方にはオススメです。
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