このレビューはネタバレを含みます▼
『鴆ージェン』『極夜』(収録の短編)『鴆 比翼の鳥』と続くシリーズ。体内に毒を取り込むことで美しい羽根色を作る、人面と高い知能を持つ妖鳥•鴆を巡る3作目はスパダリ鴆×盗賊というまさかの人間受けです。美しい鴆を育てる鴆飼のNo.1と言われるのは人間では無く鴆のティェンランでした。全てを見通す天眼を持つと言われるティェンランの元に褐色の肌に鋭い目を持つ盗賊リュイが忍び込み捕らえられます。その目に自分を育て鴆飼としての知識を与えてくれた亡きランと同じ光を認めたティェンランは、リュイを鴆飼にしようと考えます。ランはシリーズ第1作登場のフェイの兄で、ツァイホンを育てツァイホンの毒で亡くなったラン鴆飼です。鴆の毒を恐れぬリュイは鴆達に好かれるのですが、その鋭い目には赤色が映らないのでした。大好きなランに美しい赤い羽根を作ってもらい、赤く輝くと言われる星•天狼という名をもらったティェンラン、赤色のわからないリュイの闇夜を見通す狼の目、それぞれのピースが次々と嵌まり、ティェンランとリュイの運命が動き始めます。知的なスパダリ鴆と天然やんちゃな人間とのやりとりは楽しく、前作、前々作のCPフェイ×ツァイホン、ジーイエ×リウシンも登場します。合間の歴代キャラの漢字表記になるほどでした。