このレビューはネタバレを含みます▼
分冊版から読んで5話を買わずにこちらを購入。退廃的でモラトリアムな晶。言葉を飲み込み欲しいものを手に入れたことがなかった創一。晶には創一が田舎に似合わぬ特別感のある存在に見え、創一には初めて手に入った人だと思えた。
何も変わらず無為で虚無を感じる晶は、特別感を失くした瞬間冷め、身勝手なようだけど、特別になりたかったのは自分。創一の籠の中に自分から収まった。院生にヒモのままではいないだろうけど、創一が自分を求めることには満足している様子。結局、創一に委ね落ちて居場所を見つけた感じかな。モラトリアムから抜け出せるといいんだけど。そこまであったらよかったな。けれど、ないからこそグレイなんだろうな。共依存でどっちもダメ感(依存と執着)あるのに、片やモラトリアム、片や院生で社会と繋がっている。そのアンバランスさが、どこまでもグレイなままを彷彿とさせる。デビュー作とのこと。最初のサスペンス感よかったです。4話まで分冊で読んでたけれど、5話と書き下ろしで、全く様子の違うものにも見える。最後まで読んだ方がいいです!