夢の雫、黄金の鳥籠
」のレビュー

夢の雫、黄金の鳥籠

篠原千絵

話や題材はとても好き

ネタバレ
2022年8月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 奴隷の少女が皇帝の腹心に見初められ皇帝の側室になる、という設定がいいなと思ったので読み始めました。世代ではないのもあってか篠原先生の絵はやや古めかしい印象があり特別好きというわけではないのですが、話と雰囲気が合っているので拒否反応とかはなく読めました。何より、ストーリーが面白いです。少女漫画(というか女性漫画かな)の枠には入ってますが史実を交えた骨太な軍記もあるので恋愛描写だけでは物足りない自分にはそこも好みで、でもやっぱり女性向けらしい情感豊かな恋愛が繰り広げられるところは読み応えがあります。個人的にはヒュッレムとイブラヒム、そしてスレイマンの三人が複雑な三角関係になっているところがすごく好きです。もう三人でくっついてしまえよと言いたくなるようなこのめんどくささ、たまらん。ヒュッレムの強かさもいいですね。歴史上悪女と評される女性は後世の評価はどうあれやはりずば抜けて賢かったのは事実だと思うので、実際のヒュッレムにもこういう側面があったんじゃないかなぁと思いを馳せてしまいます。
でも残念なのは特に巻数新しくなるにつれて背景の使い回しがやたらと多くなっていることですね。イスラム装飾は細かいし一から何度も描くのは大変だし手を抜くなと言いたいわけではないのですが、見開き分丸々使い回しがあるのはどうなのだろうと思ってしまいます。せっかく話は面白いのでそこらへんもう少しこだわってほしいなあ。。
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