花に嵐【電子限定特典付き】
」のレビュー

花に嵐【電子限定特典付き】

佐藤アキヒト

サヨナラと春

ネタバレ
2022年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 花に嵐とは「良いことには、とかく邪魔が入りやすい」という意味。

唐の漢詩「歓酒」を井伏鱒二が「ハナニアラシノタトエモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ」と訳し、それを受けて寺山修司がさらに「サヨナラだけが人生ならば、また来る春はなんだろう」と詩う。
それら言葉へのオマージュを込めて作った作品とのことでした。

本来の「サヨナラ」と「また来る春」は別の人を指していると思うのですが、ここはBLの世界、やっぱり同じ人と春を迎えるのが嬉しいですね。

展開はあっさりめですが、時代を踏まえた描写や雰囲気があるところがよかったです。
選んだ時代設定を受け、安保闘争に関連する部分はもっと絡めて描写があると面白そうと思いましたが、読後にレビューを見ると難しかったという声がけっこうあったので、バランスが難しいんだなぁと思いました。

総163ページ(電子配信特典1ページ)。
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