イノセントを穢すキス【単行本版】
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イノセントを穢すキス【単行本版】

五月女えむ

愛と憎しみは紙一重

ネタバレ
2022年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 泣きました〜!!
久しぶりにこんなに胸が詰まるようなストーリーを読みました。重厚なストーリーなのにしっかりと1冊にまとめられていて、お話の構成力が素晴らしいです。

薬草に詳しい木こりのオンブラ×国の王子・シリウス。
とある薬草を探して欲しいとオンブラのもとを訪れたシリウス、オンブラと一緒に暮らし小間使いをすることで薬草を探してもらうことになるストーリー。
オンブラがシリウスに抱いていた憎しみが、愛に変わるその表裏一体な感じにゾクゾクしました。
殺したいほど憎んだ相手なのに、いざ死にそうになっているのを目の当たりにして死んで欲しくないと思う。人間の感情は、簡単に説明できることばかりではないですね。
シリウスがオンブラの過去を知り絶望の表情を見せた時も胸が苦しかったです。意図的に何も知らされることなく生きてきたシリウスが、その悲惨な事実を知ってしまった時の表情が忘れられません。
それでも2人は惹かれあい、お互いを信じて待つことができるのって凄いです。
あとがきで先生が「森のくまさん」みたいなBLを描きたいなと思って筆を走らせたと書かれていましたが、受け取るイメージは正反対でした。笑
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