関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました(コミック)
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関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました(コミック)

最遠エト/雨野六月

別れる勇気と、それだけじゃない感情と

ネタバレ
2022年9月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 婚約者が自分への対応が酷く周りからも悪評をたてられ孤立していた主人公が、友達を作ったり婚約を解消していくという物語は、お姫様の物語ながらも現実世界に通ずるような生々しさがありました。立場や色々なことを考えて、「どうすることもできない」と思い込んでしまっていた主人公が、少しずつ「そんなことない」と、自分で自分らしく生きていける場所へ行こうと立ち上がるという、「考え方を変える」というなかなか難しい課題をクリアしていくところがただのギャフンを目指す物語とは違っていて良いと思いました。
また、無事にことが進んで婚約を解消する方向へ進めることができたときにただ良かったと思うだけでなく、好きだったと言う気持ちも本当だったからと涙するシーンがぐっときました。婚約を解消することで、良い方向に進むものの、でも現実って良いことだらけではなくもっと複雑なもので解決したら100%ハッピーだけではないという表現や、そのことをちゃんとわかっている主人公の思慮深さ、そしてそれでも状況を前に進めるという勇気がしっかり描かれていて深みがありました。
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