あとり硅子短篇集3 オムレツの月
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あとり硅子短篇集3 オムレツの月

あとり硅子

近未来から現代UFO超能力まで

2022年9月4日
264ページ。
SFっぽいのを集めた7作品。
少女漫画の繊細さとSF設定の組み合わせは良いものです。
〜〜〜〜〜
・『オムレツの月』(26p)壊れた旧式の家事ロボットを修理に出す少年の話。こういう愛着って、大切だと思う。星4つ。
・『英雄』(16p)近未来の全寮制学校のような教育施設。退屈した少年達の、噂と死と。こういうのけっこう好き。珍しくコメディー要素ゼロ。星4つ。
・『蜜月』(2話56p)惑星開発で遠くの星に入植予定の未来の学生。足元に確かな土台があるからこそ、人は遠くに跳び出せる、その土台になれるほどの友情なんて素晴らしいな。あっけらかんとした主人公が著者らしくて好きです。星5つ。
・『最終兵器』(14p)RPG風に始まる話、これはネタバレ無しで楽しんでください。発表当時若い頃に読んでたらもっとインパクトが強かったかも。星3つ。
・『ストレンジャー』(32p)小さい頃に行方不明になっていた幼馴染が8年ぶりにひょっこり戻って来た。記憶喪失の「彼」は本当に彼なのか? 事件が解決、という話ではありませんが、不安な感じとそれを振り払う展開が良い。星5つ。
・『マイ・トゥインクル・リトル・スター』(34p)超能力DK。とてもやさしくきらめく話。星5つ。
・『光の庭』(たぶん2話74p)単行本時の表題作。ふたつ違いの兄弟。宇宙人のように何でもできる兄が突然人が変わってしまって……という、兄弟の交流話。兄弟感、コメディー感、天才感、そして雑なSF感があいまって、何とも好き。星5つ。
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