このレビューはネタバレを含みます▼
「17のあんたが16のあたしに優しくしてくれなきゃ治らない」というフレーズが痛いほど共感できる。その瞬間にしか解決できないことってある、とこれを読んで思いました。シュリは、母のことも吏己のことも両方ともそうなんだと思います。
超能力や、テロ組織との戦いなどヘビーな展開のストーリーですが、ここまで壮大な設定だからこそ心の問題をダイレクトに描けているのだと思いました。
吏己自身、家庭環境の問題で一般的な接し方ができなかったのだと後に思いましたが、陽太との恋愛を経て愛されるということを学んだシュリは、結局吏己が好きだとなったあと好きでも相手の出方が気に入らなければちゃんとスルーできるようになったという、なかなかハッピーとは言い難いエンドですがこれが一番素直で健康的なあり方なんだと思いました。
まだまだ時間がかかりそうですが、納得のいく形で二人で生きる方法を今後見つけてくれるといいなぁと思いました。