このレビューはネタバレを含みます▼
「いい子でいなければ」というある種の強迫観念に囚われている高校生の忍に無理するなと風穴をあけたバス運転手の梶谷。
忍目線でお話が進みますが、心の揺らぎを読むにつれ初恋ってこんな感じだったかもなと懐かしい気持ちになりました。恋だと認識するまでの戸惑い、気付いてからの混乱、自分の気持ちをコントロールできない焦り等、大昔に味わった気持ちを思い出しながら楽しく読ませて頂きました。
梶谷と過ごす初めての経験を宝物のように感じる忍の想いが凄く印象的。そして、甘酸っぱいだけではなく現実をしっかり捉える凛とした姿も頼もしかったです。
26歳と17歳。この年齢差が倫理的に引っかかる方には向かないお話ですが、今この時を大切に過ごしてねと応援したくなる2人です。セールだったので試しに買いましたが、読んで良かったなと思える作品でした。