Lover Santa Claus
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Lover Santa Claus

九重シャム

心抉られるダークな話だけど◎

ネタバレ
2022年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ (2巻完結)
柔らかで愛あるシャムさん世界観が好きなのですが、
これはかなり胸を抉られるブラックさで、シャムさん作品でなければ下巻に手を出さなかったかも^^;


夜の公園で出逢ったオジサンと鋭利な凶器の様な青年。
世話焼きオジサン五百利×闇社会で生きる孤独な翼(19)の話。


上巻は幼少期からの悲惨すぎる翼の背景がメインで、
下巻は上巻冒頭と繋がり、中盤でタイトルの意味がわかる残酷な展開は悲しさしかなくて、サンタがサタンとしか読めない話に、死ぬ事も出来ない生まれた意味を問いたくなる。


大切な人が出来る度に守れず残酷な別離に遭ってきた常に自分より人の事を想う翼が、あんな形でも五百利さんを守れるって翼には今までにない幸せなのかも(涙)
五百利さんと出逢う前の死ぬ事に躊躇なかった翼の姿はもうなくて…壊れたあの憎いサンタのようにはならなさそう。
十年目報酬の儚い幸せと目覚めた時の残酷さに涙が流れます。

運命に翻弄される二人だけど、なんか細タレ目の五百利さんキャラがトナカイっぽいし、十年後の五百利さんが無自覚ながら翼を求めているし、二十年目報酬や三十年目の願いでどんな形であれ報われるのかもと永遠の愛を信じたくなります。
なので心を抉られる展開だったけど、読了感は意外と悪くなくて凄いドラマを読んだ感が大きいんです。
楽観すぎかな〜^^;
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