このレビューはネタバレを含みます▼
●会話や感情の画面での表現が独特で好きな作者さん。ストーリーテリングもお上手で、何作か拝読していますが毎度ほっこりしてます。本作は表題作4話と、別のお話が2話、あとは表題作の番外編と描き下ろし。それぞれ1冊分くらいの長さで読みたかったなという思いはありますが、どちらもそれぞれに好きでした。
●表題作。配達員の二十八(ツチヤ)とインドア派オタクの深谷。(オチ書きます、すみません→)深谷のバイト先の菊江さんがツチヤの祖母で、ツチヤの方は深谷の話を以前から聞いていたと。菊江さん、深谷のことどんなふうに話してたのかなぁ?なんか評価低そうだけど(笑)
●なのでツチヤから深谷への“好き”は、多分「どんな人だろう?」から始まったのかな、と思います。荷物を届けるたびにクルクルと表情を変えて、頬を染めて、知れば知るほどかわいいな!みたいな。
●深谷は「これは断じてラブではない!」と言いながら、その思考と態度はラブでしかない(笑)ツチヤに会いたくて、近付きたくて、グルグル考えて、一生懸命。かわいい〜。
●頭は使わず行動から入るツチヤと、いろいろ考えて足踏みする深谷。真逆だけど二人ともすごく素直でめちゃくちゃ微笑ましい!表情もいい。終盤の「想像しないから本物にガッカリしない」になるほど〜と思ってたら、番外編が「めっちゃ想像するけど本物がそれを超えてくる」っていうお話になってて、再びなるほど〜と。おもしろかったです。
●『僕たちが〜』は、彼女が欲しい大学生二人がいつの間にかくっつくお話。ちょっと狐に摘まれたような読後感。夏目の五十嵐に対する感情は、いつから好意だったのか?各場面の夏目の表情や態度をいちいち勘ぐりたくなる。もしかして初めから?!