バースデー
」のレビュー

バースデー

安西リカ/みずかねりょう

ミステリーも含まれた引き込まれる作品

ネタバレ
2022年9月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ ダラダラと登場人物の行動や考えが書かれた作品は私の好みの文章とは違う。
だから、シーモア島で傑作と言われて大人買いした作品の中には1巻をやっと読み終えたものもある。
こちらはミステリータッチで、しかも時系列が現在→過去→現在となってて、その上私好みのサクサクと進む文章体だ。

常にオドオドとした新聞配達員の百合原と偶然出逢った滝本。
そしてケースワーカーの津田、大学病院の東尾と次々と出てきて、百合原の通院している目的が明かされる。
以前は肌身離さず持っていた手帳。
そして直後に過去編。。

犯人あてでも違うし、あらすじに犯人を言わないように気遣わなくていいが、こちらは最後の最後までひとつだけ濁したままストーリーが進んでいきます。
そして、その濁したものが最後の伏線となってます。

そこまで憎んでいたのか、と。
彼がいることで百合原の精神は崩壊しなかったと思う。
ただ別な人格が作られるほどショックだった、滝本が調書を読んで吐き気がしたという、本筋の事件がぼかして書かれていたのは少し残念でした。
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