夏空が似合う作品

両片思いが、「君は」で両想いになってから「君と」に変わるのがにくい。そしてあちこちに布石があったり、間の話を番外編に持ってきたり。読者サービスもよいです。
性格もクラスも違う高校生の佐伯と渉。映画が好きという趣味で二人でいることが多かった、佐伯は渉に告白し、返事はいらないから、夏休みに二人で聖地巡礼にさそう。楽しそうなのに、どこかためらいや、遠慮が見えていてなんで何があるのかと、ドキドキしながらページをめくりましたよ。突然消えてしまう佐伯に、渉の叫びにくぎ付けになる。構図や間の取り方。アングル。細かな表情が。少年の特権の目に映る景色のとらえ方。好きな人と一緒にいたいと、読んでるこちらも、こぶしを握ってしまう。ところどころにでるキスシーンも、甘酸っぱい。大学編もイチャイチャしないけど、満足できる本です。