百年でただ一度だけ恋した
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百年でただ一度だけ恋した

ARUKU

映画を観たような。

ネタバレ
2022年9月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読みの漫画家さんです。
絵が個性的。クセ強め。でもそれが味になるタイプの漫画家さんですね。

ストーリーは、生きにくさ・しがらみ・親の借金・本心では好きじゃない女性との婚約・自分の性的な部分での悩み、、、閉塞感しかない日々の中でもがいている主人公が、出会い系アプリを介して繋がったミャオ君と話をしている内にどんどん惹かれていく…リアルで会ってからも、お互いのめり込んでいきます。
ちなみに、主人公はちゃんと自分には婚約者がいる事を宣言しているので、その人と結婚するまでの関係と2人とも納得ずくです。
(ここの部分でイライラする人もいるかな?私はストーリー上で必要な展開だったと思いました)
期間限定の関係ながらも、だからこそ会っている時間がキラキラしてて、素の自分のままで心の底から楽しめて。


普通に生きている人達の打算的なところや汚れた部分を描くのが上手いですね。婚約者がもう、何ともイヤな女。
チラリと出てくる主人公の親も毒親。
言ってしまえば、結婚準備を進めつつミャオ君との逢瀬をやめられない主人公もピュアでは無い訳で。

んで、ウザい絡み方をする人の方が逆にいい人だったり。同僚にナイスキャラがいます笑

アプリの中のアバターも可愛かった。
主人公が唯一心をさらけ出せる場所。

この漫画家さんのテイストではバッドエンドもあり得るかも?とちょっとハラハラしましたが、ハッピーエンドで良かった。
攻めが執着溺愛でした(もう一度読み返すと、ああ、そう言う事ねってとこがあります)。

主人公の境遇が苦しいのでラスト近くまで切ないですが、その分の解放感がいい。主人公のリスタート。
全部がスカッと問題解決する訳では無いけれど、それもまたリアルかな。

良作の映画を観た気分になりました。
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