ジェラールとジャック(白泉社文庫版)
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ジェラールとジャック(白泉社文庫版)

よしながふみ

素晴らしかったです

ネタバレ
2022年9月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 官能小説家 ジェラール・アングラード×男娼 没落貴族 ジャック・フィリップ・ド・サンジャック
ジェラールが馴染みの娼館で出会ったのは新入りのジャック、ここからジェラールとジャックの奇妙な縁が始まっていきます。426ページという大ボリュームでジェラールの半生が描かれていまして、若い頃の貴族の女性相手の恋やその女性に振り回された出来事、ジャックの出生がジェラールが経験したことと符号して、時代背景はフランス革命前後の混乱期で命の危険が迫ってくるなど、もうこれは大河ドラマのようなストーリー。「きのう何食べた?」をドラマで見て、よしながふみ先生は存じ上げていましたが、初読みでして、私はまだよしながふみ先生を知らなかったなあと反省するくらい素晴らしい作品でした。ジェラールが男色家になったのも女性に対する不信感もありますが、子供が産まれる行為というのを恐れたのかなと思いました。ジェラールが得られなかった真実の愛をジャックが与えてくれて、そしてジェラールが受けとる覚悟ができて本当によかったです。人生の変遷を経て向き合った2人がとても愛おしくなりました。
2004年5月 総426ページ 修正=見えない構図
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