このレビューはネタバレを含みます▼
578年前に竜族の最後の一匹を生きたまま貫いた「英雄の剣」を引き抜いたシルヴィエルと、その敵討ちの旅についてきた竜のお話。337ページというボリュームの中で黒い霧に襲われたときの回想が何度も出てきますが、結局黒い霧の正体は謎のまま、王族を除いてはシルヴィエルだけが精霊を見ることができたことも特に根拠がなくてアッサリでした。黒い霧との戦いの後のほうがそれまで竜におんぶに抱っこだったシルヴィエルの活躍があって、読みごたえがあったように思います。後に説明はありますが、初エチがシルヴィエルの治療目的っていうのは読んでいてこれでいいのかと思いました。シルヴィエルが竜に心を開くまでが長くて途中で読むのをやめていまして、もうちょっと圧縮したほうがテンポよく読めたかと思います。終盤はとてもよかったです。
2020年6月 総337ページ 挿絵あり