純情でなにが悪い
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純情でなにが悪い

冬縞しぐれ

どうしよう、どっちも可愛い…

ネタバレ
2022年9月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ いやー、まいった。綺麗な作画とレビューの高評価に惹かれて読み始めたら、黒髪受けのはじめの初体験に対する思い入れの強さと妄想の広がりっぷりに、少女漫画を経てBLに辿り着いた今、懐かしさについ感情移入しちゃって。どうしたらそんなに可愛く育つの?きっと姉ちゃんの本棚の少女漫画を恋愛の教科書にして育ったんだね、と思うようなポワポワの少女漫画脳が、いつも壁とか天井にいるはずの自分を引き寄せ、受け目線の1話ではデリ ヘルボーイの諒太がカッコ良すぎん?今から抱かれるん?めっちゃこっち見てくるー、あぁやっぱりカッコいい…とドキドキ!

ところが、2話からは、経験は豊富だけど恋愛初心者な攻め諒太が、身体を拓いたはじめに、少しずつ独占欲を感じ出し、初めての感情に戸惑いを感じるように。あれ、諒太も可愛いな。いやあ、あんな可愛い子がいたら、そりゃ気になるよね。と今度は初めて味わう恋心に戸惑う諒太を応援するうちに、さっきまで感情移入していたはじめを、諒太の身体を使って抱いてる気持ちに…え、今、自分の中の雄みが引き出されてる〜?あ〜、でもはじめ可愛いから全然抱けるわ、ヤバいなこの感覚…
と思ったら、待って待って、今度は、諒太、無自覚にはじめへの思いが顔に出ちゃってるよー、あー、これまた可愛いー!…と『可愛い』の無限ループ。目線と表情で描写される心情と、交互に語られる適度なモノローグにすっかり翻弄され、恋愛感情が伴うに連れて態度が甘々になる諒太と、感度が良くなっちゃうはじめの両方の気持ちが伝わり、途中切ない展開にきゅーんとなりながらも、最後は思いが通じ合い、気付いたら初めての両思いの良さを噛み締める2人の姿を見て、多幸感に浸っている自分がおりました…。

今まで受けちゃん目線でBLを読んできた自分が、隠れていた雄みを引き出された記念作になってしまった本作。作者様のデビュー作ですか。凄いですね。また変態への階段を一つ上ってしまいました。絶妙なキャラ設定と構図のなせる技なんでしょうね(急に真面目か)。ありがとうございます。

もう1人気になるキャラが、諒太のデリ ヘルの先輩結城さん。大人で、諒太の気持ちをいち早く察する感の良さに、この人が諒太を実は…な展開があったら面白いな、と思ったのですが、その線はありませんでしたね 笑。デリ ヘル・ラブヘヴンからのスピンオフに期待大!買って良かったです!
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