このレビューはネタバレを含みます▼
なぜか皆さまは兄を鬼・畜としてお嫌いのようですが・・・。私はこの鬼・畜ダーク兄『大好物』でっす!ヘアスタイルから雰囲気、立ち姿、内面のダークサイトな部分もこれでもかっていうぐらいに超好みでした!!
この兄を怒り罵っていらっしゃる方々は、「フッおこさまね・・・」とおもっちゃうのよ。お姉さまは。
この兄は実母が若い男と逃げて「何度か捨てられている」のですよ。このあたりを「多情」と表現している。もともと頭の良い子なので表向きは「優等生」を演じきれるし、そちらもちゃんと演技ではなく地。だけど、どうしようもない程の「実母に対する嫌悪感」その反面「捨てられた僕にまた会いに来てちゃんと愛して欲しい」といった「2つの矛盾する気持ち」をずーと抱えてきていたのですよ・・・。その精神のバランスを取るために、「土曜日には慈愛に満ちた母のような彼女」と会い、「日曜日は欲望のままに自分だけの所有物のように愛し愛されたい義妹」とエッチを重ねてきたわけです。彼女は「理想の母像」で、義妹には「ダメな母に愛されたい」を体現し彼の中のバランスを取っていたのでしょう。
まあ、結局は慈愛に満ちた彼女が全てを受け入れて、義妹も心の広く器のデカい一途な少年の本当の愛を知るわけです・・・・
全ては10代の男女の不安定な情緒と青春の儚さが見せた一瞬の出来事だった、ということです。
私は「彼女と別れて、義妹との乱れた関係をずっと続けていく」パターンもありだったのかな、とも思っています。
個人的には、モテる雷庵先輩が実は一番いい男だったのでは?と思いました(笑)巻末のおまけ番外編もギャグが面白くてなかなか良かったです!