悪玉
」のレビュー

悪玉

吉田ゆうこ

なんか雰囲気が好きで読んじゃう作家さん

2022年9月25日
200ページ。
表題作3話+『ノンフィクション』2話とその描き下ろし。
雰囲気が好きで何作か読んでる作家さん。この初期作から現在に至るまで、人物描写の背景はぼんやり気味、ふわっとした二人だけの関係性を眺めて楽しむ作風みたいですね。深掘り好きには、雰囲気は好きでも物足りなさが残りがち。
初期の絵柄は目が小さいですね。そして少々決め手に欠ける感がある……目のサイズのせいなの?とか思ってしまってなんかすみません。
表題作は、出来心でのシャープペン芯の万引き現場をサラリーマン(たぶん)に撮られて脅される高校生。そんな些細なことでの脅し脅されの関係は、お互いが「悪玉」になり切れない弱い者同士というのに良く合ってた。
『ノンフィクション』は、ドラマで同性愛カップルを演じる同世代芸能人同士。どこからどこまでがフィクションなのかノンフィクションなのか、はっきりとしない感じが良かったです。あとがきに「明るい話」と書かれてて、あか……るい……だと……?って二度見しました。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!