特務刑事オメガパンチ (合本版)
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特務刑事オメガパンチ (合本版)

りーるー

オメガバースという世界観の深淵

ネタバレ
2022年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ ある世界のヒトにはオスとメスのふたつに別つもののほか もうひとつの分岐があるという
それがオメガバース設定と呼ばれるもの
その世界ではオメガであれば子を宿すことができるという
オメガは第二次性徴でフェロモンが出るようになり、ヒートという成熟期特有の期間を持つ…それはアルファを呼び、互いが鍵と錠のように唯一の存在である場合その関係は「番」と呼ばれる…

ってこの設定をより深くより鋭く掘り下げていった先にこの物語があります

主人公 高森は異能オメガという希少体質の持ち主
過去に複数の犠牲者の出た事件で唯一の生存者でもあり、現在は警察官として偏見と戦いつつ日々を送っている
ある日高森に特務課配属の名が下され同時にベータである三好が部下となる…

オメガバースの基本的なところを抑えつつアルファベータオメガの立場や葛藤が伝わる骨太ストーリーに読み手が冒頭で殴られます

ロマンティックで甘いだけがオメガバースに非ず
警察官という縦社会、ベータという大多数の横社会からひょっこり現れた三好という男の存在に自己肯定感の低い高森は緩やかに絆されていきます

読み方は合本版→幻肢痛1-2(令和4年9月時点)です
是非ともご一読ください
オメガバース設定の深い暗いところに光が射す
この瞬間を見届けましょう
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