色欲の春~秘めた色香は筆先に宿る~
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色欲の春~秘めた色香は筆先に宿る~

笹木ささ

切ないんだけど‥‥

ネタバレ
2022年9月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 菊次郎は鈍感で恋下手すぎて夕に対してやってることがクズなんだけど、夕が拒めないのも分かるくらい、お互いの心理描写が丁寧で切ない。表情の端々からちゃんと気持ちが伝わってくるので、そういう2人のベッドシーンは見てて癒される。菊次郎は大店の若旦那だから事情が許せば絵師の妾くらい囲えるだろうけど、若すぎるし新婚だし信用ないし浅慮すぎるしで無理なんだろうし、18巻まで読んで、仕方ないんだろうなあ、という感想。ただ凛だけはどこまでいっても本当に不幸。夕には鉄蔵がいるし手に職あるし、考えようによっては関係を清算することで絵も精進できるんだろうけど、凛にはいろんな意味で菊次郎しかないので、不幸な結婚だなあと思うととても暗い話。他人事ながらもう離婚しちゃえよと思うくらい不実な夫なのに、人を手に掛けても取り戻したいと思うものかなあ。可哀そうながら病的。
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