このレビューはネタバレを含みます▼
「壱の種」(体が大きく優れている)「弐の種」(数が多い)「零の種」(男でも子を成せる、数が少なく小柄)という三種の性があり、異種族間でも交配は可能という設定です。天馬は豊かで天狼は貧しい生活をしていて、食べ物を取りにいった天狼の志遠は誤って天馬の領地に落ちてしまい、天馬の青流に拾われ、そのまま碧家の使用人になります。
佐竹先生の作品は読みやすくて引き込まれます。健気っ子の志遠がかわいいです。今回先が読めるかなと思っていましたが、先が読めなかったです。何だって!?と幾度が驚きました。いや~おもしろい。身分差がある恋というのがこの作品のメインですが、天馬側と天狼側で歴史認識が違っていたり、格差があったり、差別や偏見があって、このままでいいのかという世直し的なテーマがあってなかなかに深いなあと感じ入りました。
匂いでおかしくなるとかうなじを噛んで番になるとかほとんどオメガバースでした。とても読み応えのある内容でした。
2019年8月 挿絵あり