騎士と誓いの花
」のレビュー

騎士と誓いの花

六青みつみ/樋口ゆうり

9割が不憫

ネタバレ
2022年10月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 受けのリィトがひたすら不憫で痛い思いをしているのが読んでいて苦しかったです。個人的に1番悲しかったのは序盤の父親代わりの藁人形が燃やされてしまったシーンです。満足に親の愛情を受ける事も出来ず奴隷として人にも粗雑に扱われていたリィトがグリファスに懐くのも当然で、それ故に皇子のルスランとの優劣ある扱いをされるのが可哀想でした。でもいち平民と皇子では優先順位があるのは国を救う為にも仕方ない訳で…。それにグリファスも国を守る為、家名の復興の為、父親の犯した過去の贖罪の為と背負うものが大き過ぎていっぱいいっぱいだったんでしょうね。それでもグリファスの為にと言葉遣いや振る舞いを頑張って真似たり怪我を隠して自分で手当てしたりする姿が健気で切なかったです。(奴隷の身分だった少年が王族の振る舞いとか無理難題!)終盤まで苦痛を受け続け、終わり手前になってようやく救われます。序盤でリィトが綺麗だからと差し出した花をラストでグリファスがリィトに差し出し誓いの言葉を掛けたのが凄く良かったです。ルスランも皇子とは言え、身近な存在がグリファスだけな上に国を守るという重役を背負っているので状況は違えどリィト同様に大変で寂しい思いをしてきたので後半は切なく感じてしまいました。グリファスは皇子だから、国の為だからという側面が強いから尚更。それでも自分の役割を理解していて立派でした。※穏やかなシーンが余りにも足りないと色々作品情報をみていたらシーモアにはありませんでしたが、発売当時の特典SSの存在を知り、即効で購入しました。本編と比べると糖度が高く徐々にリィトの心も癒されている様子が分かり一安心。
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