逢縁カタルシス
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逢縁カタルシス

大島かもめ

落ち着いた大人の恋物語

2022年10月10日
大島さんといえば落ち着いた大人な作品が定番ですが、
こちらも期待通り大人の恋でした。

大正時代の大阪の薬種商の若旦那・伊波と
震災で職をなくし東京から出てきた専属運転手・近藤のお話。
一種の主従関係ですね。

品のいい若旦那と、バカ真面目な運転手の
微笑ましいやりとりと恋愛模様。

カタルシスという言葉は聞いたことはありますが、
改めて意味をしらべてみると、
“心の中に溜まっていた澱のような感情が解放され、
気持ちが浄化されること”とのこと。

なるほど!

そして、絵が丁寧できれいで感嘆します。
大正時代の雰囲気が味わえる服装や背景などの丁寧な描写が良いです。

電子配信限定描き下ろし特典が1ページあるのですが、
最初のコマの線描きビルに思わず笑ってしまいました。
最後の締めコマの家屋の繊細さが比較でよく分かります。
ビルは夢の中の未来だからぼんやりなんでしょうね。笑。

総169ページ(描き下ろし7ページ、電子限定特典1ページ)
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