花に嵐【電子限定特典付き】
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花に嵐【電子限定特典付き】

佐藤アキヒト

時代の空気感出すのは難しいんだろうな

ネタバレ
2022年10月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ うーん、これは京都大学ですかね。
吉田寮が今でもありますし、昭和40年代は学生運動も激しかったですからね。
でも、京大の時計塔がペンキで塗りつぶされているのを見たことがある人間としては、なんだか当時の匂いがしないんですよね。
末期の学生運動ってもっと殺伐としてましたし。
寮なんかバリケードだらけです。
集会にしてもあんな穏やかな物じゃなかったと思う。
目を据わらせた学生がアジり倒す、ノンポリや穏健派な学生は罵詈雑言の的になるというようなものだったはずです。
そして下火になったあとは、多少でも関わった人間はとにかくそれをひた隠しにして就職して企業戦士になっていった。
だから卒業後も交友を温めるってのはねえ、どうなのかな。
また、ハーフに対する差別も、なかったとはいわないです。
ただそれは戦後、進駐軍の相手をしていたパンパンたちが産んだ「合いの子」への差別です。
この作品の北条のように、出所がはっきりしてる合いの子はまた違ったはずです。
まあそういう諸々の事が思い合わされたのでこの評価です。

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