君の夜に触れる【単行本版】
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君の夜に触れる【単行本版】

もりもより

波の音や雨音が聞こえてきそうな

ネタバレ
2022年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ twitterで作品を知り美しいイラストに惹かれ購入。
読んでよかっった。
読み終わった後、感嘆のため息が漏れました。
光と影、モノクロ味の強いイメージですが、そのコントラストがお話に深みを与えているようです。
殺し屋と盲目の青年という設定ですが、二人とも純粋で、ずっと静かな波の音や雨音が流れている印象でした。
絵の美しさも素晴らしい。雰囲気だけではなくお話も一冊という短い中で、よくまとめられてると思います。
初旬の線が多くて暗い雰囲気から後半へかけて画面が明るくなっていくのも、心情も加味されての効果大です。
なんといっても二人がピュア!可愛いやら可愛いやら。
多くは語られませんでしたが、周囲の人たちも(弟が良い人で救われた!)良い人ばかり、というわけでは無いけれどそれぞれの事情も短いながら語られていました。家族の設定や仕事の中身など現実味というかぼんやりした感が無きにしも非ずですが、そこまで描かれるにはページ数も足りないし致し方のないことかもなあと思います。寧ろ短いページの中でここまで描きれるのは凄い。
水族館のくだりも海のくだりも本当に印象的。エピソード一つ一つが丁寧に描かれていて素敵でした。
最後の笑顔まで見れて、よかった!皆幸せになれるストーリー。おまけページも台詞はないけど凄く可愛くて悶えました。
「救済」の帯の意味が最後に染み渡ります。
カラー絵も美しく。眼福でございました。
これからも楽しみな作家さんだと思います。
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