ファイアパンチ
」のレビュー

ファイアパンチ

藤本タツキ

デビルマンのその先

ネタバレ
2022年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作家を知ったのはチェンソーマンのアニメ化情報と、割合的に業界のヒトの絶賛がよく耳に入ったから。「チェンソーマン」は永井巨匠の「デビルマン」と比較されがちだけど、私的にはこの「ファイアパンチ」の方がよっぽどデビルマンだった。ルナ・ユダとアグニは、ミキ・飛鳥涼と明だ。ただ、この涼と明くんは諦めが悪い(笑)。様々な苦難と時間を乗り越える二人?の最終回はそれなりに納得するものだったが、作者が作中内で言及した、そして私自身も最も大事にしている「物語のカタルシス」は得られなかった。物語って難しいね。読者は最後の最後を求めがちだけど、永井デビルマンのような終わり方の方が実は心に残る。
それでもこの作品は名作だと思う。カニバリズムに対するドマの教えにはハッとさせられたし。
そう!藤本タツキのカニバリズムの描き方は、常に「自分を与える側」なのも興味深いのだ。チェンソーマンでも血肉を分け合うことが多い。珍しいよ。私は考察嫌いなんでここまでにしますが、、、久々に興味深い作者に出会えたのは僥倖です。
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