本当の愛情

ネタバレ

2022年10月17日

このレビューはネタバレを含みます▼ 多分王太子もヒロインに愛を抱いていた。それがカタチを変えたのは自身の心の歪みゆえ…元々次期国王の器ではなかったのであろう。美しく聡明な婚約者ヒロインを貶める事に心血を注ぐという愚行。ましてや苦しみの中でヒーローに刃を向ける幇助にも手を染めるという愚かな選択をしてしまい……人間の愚かさと哀しみが胸を覆う。王族もただの人なのだという一文が胸に残る。幼さと危うさの中で彼には何が残ったのだろう。喪ったものの大きさに打ちのめされるのかと想像すると苦しくなる。最後に牢獄で弟と話した話をもっと早く伝え合えていたならば、結果は違ったのか？あそこまで堕ちなければ、弟の進言に耳を傾ける事さえも難しかったのかもしれない。読み進めながらも王太子がとても気掛かりだった。弱さゆえに間違った方向に舵を切ってしまった。
ヒーローがヒロインに抱いていた切ない程の愛情をヒロインに真っ直ぐに向ける事が出来て、そして受け入れられ本当に良かった。ヒロインは初恋こそ哀しい結末となったがそれを乗り越えた先に真実の愛に気付くことが出来て良かった。聡明な両親、弟、夫に囲まれヒロインの未来は明るい。良かった良かった！

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kana- さん

(女性/－) 総レビュー数：1065件

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