氷の城壁【タテヨミ】
」のレビュー

氷の城壁【タテヨミ】

阿賀沢紅茶

心の機微

ネタバレ
2022年10月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 深く深い、浅く浅い、苦くて甘い10代特有の心の機微を丁寧に丁寧に描いています。
日々の時間の濃密さと儚さのなかで自身の感性をむき出しにしながら生きる若者の日常が読みやすい柔らかなタッチで表現され、読み進める手が止まることなく一気に読み進めてしまいました。
時に響もすような荒々しい棘に傷つきながら成長していく登場人物たちの姿を見ていて、懐かしいような青々しさが鼻腔をくすぐる、そんな作品です。作中、あるキャラのバイト先の先輩が甘酸っぱいダメージをうけていますが、同じ気持ちを味わっています。
光の中に手を引かれて走り出すシーンがとても印象深くて、何度も読み返してしまいます。

素敵なお話をありがとうございました。
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