竜の聖女の刻印が現れたので、浮気性の殿下とは婚約破棄させていただきます!
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竜の聖女の刻印が現れたので、浮気性の殿下とは婚約破棄させていただきます!

古森きり/昌未

半分でリタイアしたくなる

ネタバレ
2022年10月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 題名は魅力的で、レビューも悪くない。無料で読めるところまで読んで、よっしゃあ!と購入しましたが…失敗でした。まず、やたら惚れっぽくて、下半身の欲望のままに動いている王太子ですが、彼が天然で、ある意味善良なのは理解すべきだとしても、周りの彼への対応には疑問符しか浮かびません。一国の王として、重鎮として、これはないだろう!というのばかり。この王太子が国王になれば、恐らく一瞬でこの国は滅びるだろうと、私でも思うような悲惨な状況なのに、廃嫡しない理由は、どれも家族としての希望的観測とか、貴族の家の都合ばかり。とても一国を統べる人間の思考ではありません。「きっと、何かどうしようもない理由があるんだろう。例えば、王子は1人しかいないから、国王もギリギリまで決断できないとか。」と推測して読み進めば、あっさり廃嫡で、下に優秀そうな双子の弟がいる。「下に双子の王子がいるが、歳が離れていて、どちらを王太子にするか決められない。(問題だ、というニュアンス)」と書いてあったのに、彼らは10歳で、2人とも協力してやる気満々。なかなか優秀そうだし、双子のどちらを王太子にしても、後継争いにはならない様子。じゃあ、この国はものすごく安定していて、大金持ちだから、ちょっとやそっとでは揺らがないのか?と思って読み進めば、「実は、国内の魔力の減少が著しくて、結界も緩んできている。魔物の発生が増えていて、ピンチ」とか。。国王は、何やってんの?と問いたくなる。そういうループで、だんだん嫌気が差してきました。変な王太子(元)と、万事常識的な竜の聖女たるヒロインの対比を面白く見せるために、無理を通しているなあと感じます。それにしても、社会的・文化的な背景が同じだと認識している相手が、同じ言語を喋りながら全然、全く、話が通じないのって、恐怖ですね。その怖さは、存分に味わえました。
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