やがて君になる
」のレビュー

やがて君になる

仲谷鳰

百合入門書みたいな作品。素晴らしいです

ネタバレ
2022年10月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ アニメを見て、オープニングのセンス、美麗さに溜め息を吐き、また、本編の自然な流れでゆっくり距離が縮まってく、そんな二人の空気感にのめり込み、続きが気になって購入、読了。結論、とても良かったです……。GL作品読んだことない人にはまずこれをオススメするのが良いな、と感じました。燈子が抱えるもの、侑の悩み、沙弥香の想い……心理描写が丁寧なのも本当に良かった。舞台の話も、この作品がこの結末に向かうために必要な流れで、なんというかこの作品、一切無駄が無いんです。そこが本当に素晴らしい。ぐだることがない、スッキリまとまっている、方向性がとっ散らかるなんてことも無し……と、これ、結構難しいことを全部上手くやってのけてらっしゃるので、感嘆の声が出ました。GL作品には色々なものがあり、女の子同士だからとキャッキャベタベタする作品もまま見られる傾向にありますが、侑と燈子はそんなキャイキャイした感じが無い。そこが良かった。ベタベタに甘すぎることもなく、お互いの「好き」の度合いに強弱もない。この対等感もいいところですね。安心できます。そういうカップル大好きなので見てて応援したくなりました。GL目的で読んだのに侑と燈子の二人の物語……という風な感覚になり、そこもなんか、二人がただのキャラクターで落ち着いてる訳でなく、生身の人間として描かれているという印象で、だからこその没入感だったのだなあ、と納得。良いとこ上げたらキリがないです。あと、この作品には男キャラも出ますが、二人の邪魔になったりせず、あまり表に出すぎたりせず……といういい塩梅なので、GLに出てくる男キャラに警戒する人にも安心してオススメできます。
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