このレビューはネタバレを含みます▼
セトやホルスなど主要人物が冠というか被り物をして表情が隠れたまま話が進むものの、風景描写・心理描写が巧みで全く違って障害になりません。神々であることもあって片目が描写されるのもご尊顔を垣間見たとときめくほどです。
絵が丁寧で美しく、顔が隠れていないキャラクターも当然表情豊かです。口元だけでも感情が伝わってくる分、隠された瞳はどれだけ揺らいでいることかとゾクゾクします。表情が露わになるのも受けたショックの大きさを感じられてそれはそれで最高です。
基本セト受け合意なしですが、オシリスが異常な執着をセトに向ける一方でセトが存外真っ当な感覚を持っているので気の毒になります。神としての立場を捨て父親として息子をどうにか守ろうとしたセトの頭から被り物が落ちて顔も髪も露わになるのが象徴的でかわいそうで最高でした。最中に長髪で目が隠れるのも良かったです。