ちょっと待とうよ、春虎くん
」のレビュー

ちょっと待とうよ、春虎くん

あめきり

凄く良い。全てが

ネタバレ
2022年10月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みで面白そうで購入し、ひとしきり感動した後で大好きな「ハツコイノオト」の作者さんだったと気づく私。
絵はまだ荒削りな感が否めない(荒いところもまた魅力的でもある)けれど、お話が、ワンシーンワンシーン、一つのセリフがとても刺さる。
ゲイバレしてしまったスイが自衛のために今まで過ごしてきたその苦しい時間が切なくて、そして春虎に会えて、「良かった」、というシーン、思わず涙出そうになった。
よく見る設定かもしれないけど、リアルでピュアで、エピソードの一つ一つが素敵でした。春虎がスイを好きになる過程が若干短かったのですが、それでもそのあと両思いになってからお互いを思い合う2人のお話が素敵であっという間に終わってしまった感じです。後日談やその後のお話ももっと見てみたい。
揶揄っていた周囲の同級生達が反省してくれたらと思うけど、こう言う人たちは悪意なく自然体で人を揶揄うので自分が悪いとは思わないから反省することもないのかと思うと少しモヤる。きちんと「揶揄わないで」と言えるようになれたシーンは本当に救われた気持ちです。
もう一つのお話も、良いお話でした。出会いが強烈なのですが、お互いに寂しさや心に傷を持っていながら健気に生きてきた二人が出会って幸せになっていく過程は、良かったね、と言いたくなります。
おまけや巻末、何ならカバーしたの主人公達の略歴まで泣かせるエピソードてんこ盛りでした。(スイの両親のエピソード)
まだ2作目の新人さんなんですよね。凄い感性だなと思います。これからが本当に楽しみです。
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