隣の席の、五十嵐くん。
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隣の席の、五十嵐くん。

瞳ちご/ひなた

丁寧な心理描写

ネタバレ
2022年10月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 日常を通した淡々とした心理描写、少しずつ歩み寄る登場人物たち…という作品が好きです。
こちらは、まさに好みの作品。登場人物の内面の描写が丁寧、かつリアリティがあり、無料から最新作まで一気に読んでしまいました。
椿ちゃんと五十嵐くんが歩み寄る時間が、丹念に描かれています。小さな心の葛藤や浮き沈みも取りこぼさず、語り過ぎず。特に、「椿ちゃん目線」で物語が進み、五十嵐くんや友達サイドの描写がないところがいいな、と思います。おかげで、主人公の不安も小さな喜びも本当に我がごとのように感じられ、いじめや告白の場面に、違和感や早急さがありません。
ただ、少し主人公の周りの人物(主にクラスメイト)が屈折し過ぎているので、圭織ちゃんか乃愛ちゃんあたりが成長してくれたらホッとします。
とにかく続きが気になる作品。
五十嵐くんの淡々とした物言いと、椿ちゃんの訥々としながらも優しさ溢れる話し方に癒されたくて、繰り返し読んでいます。
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