セシルの女王
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セシルの女王

こざき亜衣

大好物しかない

2022年10月27日
こざき先生の歴史物!それも近世イングランドだなんて、実力派の垂涎モチーフに沸き立ちました。ヘンリー8世の暗愚な面が特に好きなんですよ。こちらの作品でもイカレてて理不尽で、女性遍歴がほんとに酷い…(だがそこが良い)。王もクロムウェルも肖像画にビジュアル寄ってて笑えました。
主人公はまさかの、エリザベスの重臣ウィリアム・セシル…彼の少年時代から始まる成長譚のような感じ。色んな人間と関わっていく中に当時の情勢が分かり易く盛り込まれ、臨場感があるのにコミカルで読みやすい。
そう、とても “分かり易い” のです。王の結婚問題や宗教改革、後継争いなど、多くの見せ場を抱えるこの時代を丁寧に描いてます。同時に人間関係の絡みや心の動きが非常に上手く、流石こざき先生と言えるとても秀逸な作品でした。
セシルのキャラは真っ直ぐで読んでて気持ち良かったです。絶賛。
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