ストーリーよりも手描きの絵の世界を楽しむ





2022年10月27日
評判が高く、シーモア(島)でも推す人が少なくない本作、読むのは前から楽しみにしていた。漫勉で大御所浦沢直樹先生からマロニエ王国の七人の騎士ー未完結ーでの画力が絶賛をされていたとの話もあり、ストーリー以上に絵を見にいった。横読み推奨。PCで見開き頁で2頁を左右に並べて眺めると、随所に楽しめる。特に、橋の上で鉢合わせる場面はとてもよい。
また、手で全て描き込んでるとしたら一体どれだけ膨大な所要時間かけたか、と身体が心配になるほどに細やかな描写に何度も驚嘆した。屋根の一部が取れているところさえ行き届いている。そして、ファンタジーの体裁なのに中で特に婿がしゃべる言葉が、性格付けの一環とは思うがかなり庶民言葉が多いし、QPS48まで出たときは笑った。
右大臣左大臣の二人もストーリーを面白く回してくれて、これは計算された破天荒な喜劇なのだろうくらいに感じた。
両国は架空の存在であるのは明らかなのに、少しトルコ風?で、西洋風ではないのもエキゾチック感ありおとぎ話感あり。
ただ、わたしは、花嫁花婿がビジュアル重視ではない設定とはいっても、もう少しメイン二人の見た目は夢も欲しかった。欲張りなのは承知している。そういう話ではないのだ。
家族間の確執がそこまで亀裂はないし、両国の衝突という割にはものものしい国境警備があるわけじゃない。そもそも衝突のきっかけやその後の両国の断絶ぶり、そして突然の婚姻話とその顛末なども、輪をかけて、本当に戦いがあったのかわからなくなってくる筋立てとなっている。
信じる者の勝利、統治者の威信とは何か、そこにも割と大きなスポットが当たっており、メイン二人の恋愛はその分奥床しい。
それがまたいいところといえばそうなのだ。私が欲張りなだけだ。
作風はわたしには初めてだったし、元が何もない白紙に本当に描いたのか、という位、細かい所にどこまでもペンが入っているようなその想像力創作力娯楽性、硬過ぎず、暗くなく。ストーリーも予想外に展開、風景とのマッチ感大きい。描かれている線と線の隙間が絶妙に効いていて、そしてたくさん描き込まれていても私にはうるさくないのだ。これが少年ものだと定規多用で強すぎるのが、岩本先生のは全体にはその多くの線は主人公達を邪魔しない。浮かび上がってキャラは動き出していて、ちゃんと王女のふくよかさとか、彼の髭の両横に伸びたさまとかが、バックの情報に負けていない。
また、手で全て描き込んでるとしたら一体どれだけ膨大な所要時間かけたか、と身体が心配になるほどに細やかな描写に何度も驚嘆した。屋根の一部が取れているところさえ行き届いている。そして、ファンタジーの体裁なのに中で特に婿がしゃべる言葉が、性格付けの一環とは思うがかなり庶民言葉が多いし、QPS48まで出たときは笑った。
右大臣左大臣の二人もストーリーを面白く回してくれて、これは計算された破天荒な喜劇なのだろうくらいに感じた。
両国は架空の存在であるのは明らかなのに、少しトルコ風?で、西洋風ではないのもエキゾチック感ありおとぎ話感あり。
ただ、わたしは、花嫁花婿がビジュアル重視ではない設定とはいっても、もう少しメイン二人の見た目は夢も欲しかった。欲張りなのは承知している。そういう話ではないのだ。
家族間の確執がそこまで亀裂はないし、両国の衝突という割にはものものしい国境警備があるわけじゃない。そもそも衝突のきっかけやその後の両国の断絶ぶり、そして突然の婚姻話とその顛末なども、輪をかけて、本当に戦いがあったのかわからなくなってくる筋立てとなっている。
信じる者の勝利、統治者の威信とは何か、そこにも割と大きなスポットが当たっており、メイン二人の恋愛はその分奥床しい。
それがまたいいところといえばそうなのだ。私が欲張りなだけだ。
作風はわたしには初めてだったし、元が何もない白紙に本当に描いたのか、という位、細かい所にどこまでもペンが入っているようなその想像力創作力娯楽性、硬過ぎず、暗くなく。ストーリーも予想外に展開、風景とのマッチ感大きい。描かれている線と線の隙間が絶妙に効いていて、そしてたくさん描き込まれていても私にはうるさくないのだ。これが少年ものだと定規多用で強すぎるのが、岩本先生のは全体にはその多くの線は主人公達を邪魔しない。浮かび上がってキャラは動き出していて、ちゃんと王女のふくよかさとか、彼の髭の両横に伸びたさまとかが、バックの情報に負けていない。

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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件
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ぴひこ さん
(女性/-) 総レビュー数:62件