保坂さんと三好くん[コミックス版]
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保坂さんと三好くん[コミックス版]

スカーレット・ベリ子

織り込み済みの、愛しきゲス男

ネタバレ
2022年11月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ スカベリ子先生の作品はまさにエンターテイメントだと再確認しました。
娯楽を満たす様々な感情を呼び覚まされ、読後はスッキリ爽快、本当に面白かった〜!と大満足です。
そこには単純な喜怒哀楽だけではなく、相容れない嫌悪感すらも味方につけてしまう不思議なチカラが備わっていると思います。

主人公の片割れ三好くんはスピン元の時からゲスと良い人が混在する、バイプレーヤーにしておくには勿体ないキャラだと思っていました。
三好くんにゲスいところがあるのは既に織り込み済みなので、そこに乗っかって覗き見る保坂さんの素、という他人のせいにして出歯亀しちゃった読者も同罪的な、居心地悪いけどなんかゴメンありがとうだわみたいな読み心地を味わいました。

保坂さんの元彼もまあまあなゲスで、ゲス対比が捗る捗るww
不思議なのはベリ子先生のお描きになるゲスは真っ黒じゃなく、グレー的なむしろ一瞬金色に光るような救って愛でたくなる気持ちにさせられてしまいます。

人間誰しも2面どころか多面性が有るのは当たり前で、その人間臭い黒いところをデフォルメし物語を盛り上げ、なおかつ憎み切れない人物として居るんですよね。

普通なら許しがたいことも保坂さんの懐の深さなのか愛の大きさなのか、はたまた変態だからなのか、メデタシメデタシとなってホッとしました。
この一件落着感が本当に気持ちの良いサイコーのエンタメでした。

三好くんの名誉のために、彼の一面がゲスかっただけで他は概ね良い子なんですよ(^^)

ちょろっと四代目と保育園の先生が出演してるのも嬉しかったです。(チョコバナナじゃないけど)

修正は白ボカシでした。
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