このレビューはネタバレを含みます▼
映画監督の太一が絶賛スランプ中に田舎で過ごした2ヶ月間のお話です。
太一が仕事でスランプ中なのに対し環は人生にスランプ中。そんな2人なので作品全体がどこか行き詰まっている印象でした。おそらく2人が抱えている圧迫された感情や現状を打破できない焦燥感が丁寧に綴られていたせいかもしれません。それくらい心理描写がお上手だなと感じました。
全編通して太一目線。環と出会い太一の生活に変化が訪れた中盤から物語が動き、ずっと鬱屈していた状況がラストでようやく解放され2人に訪れた幸福と解放感にカタルシスが半端なかったです。
派手さはありませんが太一と環の人生を変えた濃密な2ヶ月はまるで単館映画のようでした。星4.5くらい。