ドラゴンギルド
」のレビュー

ドラゴンギルド

鴇六連/沖麻実也

限りなく広がる世界観。どんどん面白くなる

ネタバレ
2022年11月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 理由が分からないのですが、シリーズ4作までは一冊ごとにレビューできていたのに、今回から三冊まとめてになりました。なので一冊ずつ分けて書きたいと思います。5作め『竜は宝石たちと戯れる』は、短編集です。本音を言うと、「ちょこちょこ小ネタ出すより、とにかく先を読みたい。とばして後から読もうかな」なんて思っていましたが、順番通り読んで正解。順番に関係なく読んで大正解でした。前から少し気になっていた組み合わせにも触れられていましたし、BLにしかない人によっては地雷にもなり得る重大案件にも触れられていました。それはズバリ…受け攻め、担当はどっちだ?案件。4作めまでずっと竜=攻めだったのが、初めて受け担当が出てきそうな予感があって楽しかったです。6作め『美魔は花泉にたゆたう』は、水竜=オンディーヌのフォンティーン×美魔ジュストのお話です。今までも人間ではなさそうな気配のジュストでしたが、サリバンみたいに飄々として軟派な印象とは裏腹に相当重い魔女の呪いを受けていて、期限までに呪いを解けなければ永遠の宿命に変わってしまうという重荷を背負わされ、苦悩する様子が可哀想でなりませんでした。それにしても今までの作中もずっと大人しげで知的だったフォンティーンが、竜の本性を剥き出しにしてジュスト一筋な姿を見て、ギャップに萌えるというより可愛くて笑っちゃいました。サリバンもサロメもフォンティーンも、受けが小さな子供の頃から「自分のものだ」と決めてるのって、執着・溺愛を通り越して盲愛に近くて、相思相愛でなかったら落とし所がなくて怖いくらいに重い愛情だなと思いました。そして7作め『吸血鬼は純血を乞う』では、ついに土竜=ゲノムスの登場です。いや、そりゃ待ってましたけど、まさかの幼生体からの…とか思ってもいなくて、しかも初の受けとか…色々と意表を突かれました。そして、ここへ来てシリーズ初、謎解きが次巻に持ち越されます。今まできれいに一冊にまとまっていたので、これまた意表を突かれましたが、次が楽しみです。あと、始めの方でこれまでの登場人物である魔物、魔女(アナベル)・人魚(メルヴィネ)・美魔(ジュスト)と羅列表記があって、その中にサラッと《鴉》って出てきます。この一文字に「え!誰?」となりますけど、次巻に出てくるのでご安心ください。物語はついにアルカナ・グランデ帝国全土に広がってますます面白くなってきました。
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