桐生先生は恋愛がわからない。
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桐生先生は恋愛がわからない。

小野ハルカ

マイノリティからマジョリティへの歩み寄り

ネタバレ
2022年11月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ マイノリティに配慮しよう!と息巻く心優しいマジョリティの人たちの推進活動が取り沙汰される昨今で、一方のマイノリティ当事者としては「そういうことじゃないんだけどなあ」というモヤッとした気持ちが往来するんですが、そのへんをマイノリティの視点で描いてくれた漫画だったなあと思いました。マイノリティのことを理解しようというモチベーションで生まれる作品は多いのかなと思う反面、マジョリティを理解しようという発想はマジョリティ側からはなかなか生まれないんじゃないか……?と思うと、この作者さんの想像力の豊かさ深さに驚きます。もしマジョリティならね。北村軍師がAセクの桐生先生にガチ恋しちゃった時点で結婚はまあ無理だろうと思ってたのでそこ含め納得できる展開で嬉しかったです。マジョリティ側にいるアサシン君が桐生先生への恋を終わらせるのがうまかった「慣れている」者の偉さと、マイノリティ側にいるから苦労して得られたものを手放すのがしんどい北村先生の不慣れな感じの対比も良かったです。
、、と書いた後で本作のレビュー欄を読むと、多くの人が桐生先生のロマンス展開を期待しているというのも「ああ、やっぱり」感があって現実は皮肉が効きすぎてるナ〜という顔になりました。
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